1. HOME
  2. 起業クエスト
  3. 0th|全体像を知る
  4. 起業アイデアの見つけ方|思いつかない人向けに成功事例や必要なマインドも解説
0th|全体像を知る

起業アイデアの見つけ方|思いつかない人向けに成功事例や必要なマインドも解説

起業したいけれど、一歩を踏み出すための起業アイデアが見つからずに立ち止まってしまう人は非常に多いです。

「どんなビジネスを始めればいいのかわからない」
「自分の思いついたアイデアが本当に市場で通用するのか、自信が持てない」

など、なかなか自分に合ったアイデアを見つけるのは難しいもの。

本記事では今回は100名以上のスタートアップ立ち上げ支援を行ってきたスタートアップスタジオ「norosi(ノロシ)」の知見をもとに、実際に成功した起業家たちの事例や、アイデアを見つけ出すために必要なマインドセットを解説します。

この記事の監修者

山岡 健人

早稲田大学卒業後、IT業界を中心にキャリアを積み、アクセンチュア(株)では日本最大規模のJV立ち上げ等のコンサルティング業務を担当。2018年より(株)アドリブワークスを創業。誰もが気軽にアイデアを投稿し、仲間を集め、育てるためのオンラインコミュニティ『triven(トリブン)』を開発・運営。併せて、創業チャレンジャーの個性を活かした新たな事業創出を目指す全国の自治体・企業による官民連携スタートアップスタジオ『norosi』を主催。

この記事の目次

起業やスタートアップビジネスに関心がある方はnorosiへ

成功する起業アイデアの条件


ビジネスを立ち上げられる人と立ち上げられない人の最大の違いは、「アイデアへの情熱」を保ち続けられるか否か? にあります。

「絶対にこのアイデアを形にする!」という想いがある人は、困難やトラブルがあっても挫けることなく、試行錯誤しながら前に進むことができます。一方で起業家が情熱を持てないアイデアは、いざ取り組んでも上手く行かず、また立ち上がっても長続きしないことが多いです。

ここでは自らの情熱を注ぎ続けられるアイデアの3つの条件と、反対に避けた方が良いアイデアを紹介します。

自らの「好奇心」を刺激するアイデア

ビジネスアイデアを選ぶ際は、自らの「好奇心」を刺激するアイデアを選択しましょう。「人生をかけてこのテーマに取り組みたい」「ライフワークとして突き詰めていきたい」と思えるかを基準に選ぶのがおすすめです。

山岡
山岡

事業を立ち上げるには、自分自身がその分野について興味を持ち、積極的に学び続ける必要があります。新しい分野へのチャレンジほど、今まで自分が築き上げてきたスキルや知識が通用しないことも多く、0から仮説を立てて検証する努力が不可欠です。そしてその取り組みにおいて、心のエンジンになってくれるのが「好奇心」になります。

どんなに優秀なビジネスモデルのアイデアを見つけたとしても、自分が心の底からそのアイデアを「面白い」と思えなければ、試行錯誤のスピードはどうしても遅くなってしまいます。起業は誰かから強制されて行うものではないからこそ、自分の好奇心を満たし続けてくれるテーマがないと継続できません。

だからこそ起業アイデアを考える際は、成長性や利益の確保しやすさだけではなく、自分がそのテーマについてワクワクできるものを選びましょう。

健全な「嫉妬心」を託せるアイデア

自分が取り組むビジネスアイデアを決める際には、「やっていることを誇りに思えるか」「ビジネスが成立したときに自尊心が満たされるか」を基準に選んでも良いでしょう。

キャリアを重ねると「学生時代の同級生が大手企業に転職した」「新卒時代の会社の同期が昇進した」など、友人たちの成長を目にすることもあるでしょう。そのとき、賞賛や祝福の気持ちを持ちつつも、心のどこかで「悔しい」「負けられないな」と感じるのではないでしょうか。

山岡
山岡

しかし、自分の嫉妬心を刺激するライバルが身の回りにいることは、起業家にとってある意味チャンス。そういった「周りへの健全な嫉妬心」は、ビジネスを立ち上げるモチベーションになります。

嫉妬心を成長へのエンジンに変えるためにも、ビジネスアイデアを選択する際は「ビジネスを成し遂げた自分をイメージしたとき『カッコイイ』と思えるか」という軸から検討してみるのがおすすめです。

社会に対する「怒り」の感情から生まれたアイデア

「世の中はこうあるべきなのに、そうなっていない」「こうすればもっと世の中は良くなるはずなのに」といった義憤の感情も、ビジネスを推進する大きなエネルギーになります。

社会の不合理に対して疑念や憤りの感情を持つということは、まだ開拓されていない新たなニーズや市場に気づいている状態と言えます。今からそのビジネスに着手することで、5年後や10年後にその市場を独占できる可能性もあるでしょう。

例えば、配車アプリの「Uber」は、創業者であるトラビス・カラニックとギャレット・キャンプがパリでタクシーを捕まえるのに苦労した経験から生まれました。「Uber」のアプリを使って車を呼び出し、乗車できるシステムはタクシー業界に革命をもたらし、世界中で利用されるようになっています。

ここまで挙げた「好奇心」「嫉妬心」「怒り」は、AIやロボットではできない、人間だけの特権。これから先も残り続ける事業は、そんな人間の本質の部分から生まれるものです。

「目の前の課題」を解決するアイデアは要注意

起業するなら5年後や10年後に目線を向け、できる限り遠くの課題を解決することを心がけましょう。また逆に、近未来もしくは現在起こっている課題を解決するアイデアを思いついたなら、それを実行するべきかどうかは慎重になった方が良いです。

もしあなたが「既に目の前にある課題を解決したい」と思ったとします。しかし、それは収益性が高く、誰もがお金を出しても欲しいものでしょうか?

本当に誰の目から見ても「良さそうだ」と思えるアイデアなら、あなたが形にする前に、既に資本をもった大企業が取り組んでいるはず。表面的には魅力的で上手くいきそうに感じても、いざ飛び込んでみると激しい競争に巻き込まれる可能性が高いです。

反対に、一見「価値がない」と見られがちな分野こそ、大企業が参入するリスクも低く、将来的に世の中を大きく変えるビジネスが生まれる可能性があります。

山岡
山岡

スタートアップで重要なのは、まだ開拓されていない市場に挑む勇気です。現状の評価の低さに落胆せず、自らのビジョンを信じて長期的な視点で取り組めるビジネスこそ、「スタートアップとして取り組む意味がある」ビジネスと言えるのではないでしょうか。

起業のアイデアを出す際に必要なマインド


「いざ起業のアイデアを見つけよう」と思っても、いきなり最初から思い浮かぶものではありません。ましてや「これなら成功しそう!」「挑戦したい!」と思えるアイデアと出会うのはなかなか難しいでしょう。そこで大切なのは「アイデアを考え、磨く習慣」を身につけることです。ここでは自分に合った起業のアイデアを見つけるために必要なマインドを解説します。

実現性や質にこだわらず、まずは数を出す

アイデアを出す際には、最初から完璧なアイデアを出そうとせず、まずはアイデアの数を出すことが大切です。ソフトバンクグループの孫正義氏も学生時代、毎日15分アイデアを考える時間を作り、「必ず1日に1個の発明を作る」というノルマを自らに課していたと言います。

「量が質に転化する」という言葉もある通り、たくさんのアイデアを発想することで物事を見る視点がブラッシュアップされ、徐々に質の良いアイデアが生まれやすくなります。

アイデアを絞り込むのは後でも構いませんので、まずは自分の興味・関心の有無や成功可能性に囚われすぎず、なるべく多くのアイデアを探してみましょう。

既存のアイデアとかぶっていても気にしない

世の中には多くのビジネスが存在しており、完全に独自のものを思いつくことは難しいでしょう。「やっとの思いで生み出したアイデアだったが、いざ調べてみると、すでに誰かが似たようなサービスをやっていた」という事態も珍しくありません。

しかし「もう誰かがやっているから」と諦めるのは非常にもったいないもの。他社が似たようなビジネスをしていたとしても、競合の製品やサービスが未成熟であれば市場を獲得できる余地は十分あります。

日本最大級のフリマアプリ「メルカリ」も後発サービスでしたが、アプリのUIデザインを磨くとともにテレビCMやオンライン広告を積極的に打ち続けたことで広く認知を獲得、ユーザーを囲い込むことに成功しました。

山岡
山岡

ビジネスアイデアを成功させる上で大切なのは、既存のアイデアに独自の改善を加え、新たな価値を生み出すことです。競合分析を行い、既存製品・サービスの「足りない部分」や「改善点」を見つけ出すことができれば、十分ビジネスとして戦えます。

何より大切なのは「自分のほうがもっと良いものを作れるはず!」という、自らを突き動かす気持ちです。

些細なアイデアもメモとして書き溜めておく

思いついたアイデアは、どんな小さなアイデアでも忘れないうちに記録しましょう。書き出したアイデアを時折振り返ることで、アイデア同士を組み合わせたり、新たな視点を加えたりといった改善ができます。

日常生活の中でふと思いついたアイデアをすぐにメモできるように、スマホのメモアプリや手帳を常に携帯し、アイデアが浮かんだら即座に記録するのがおすすめです。定期的にこれらのメモを見返し、アイデアの整理や改善の時間を設けるようにしましょう。

起業アイデアを生み出すヒント

出典:株式会社ANOBAKA

ベンチャーキャピタルファンドを運営する株式会社ANOBAKAの調査によると、スタートアップの起業家のうち約6割が「自分の原体験を元に事業アイデアを着想した」と回答しました。成功した多くの起業家が、自分の感情や経験を深掘りした末に、自らの情熱を掻き立てるような起業アイデアを見つけたことがわかります。

しかし、なかなかそういった情熱をそそげるビジネスアイデアを生み出すのは難しいのも事実。そこでここでは起業アイデアを生み出す具体的な方法を紹介します。

徹底的に自己分析してみる

ビジネスアイデアを探すためのファーストステップとして、自分の価値観や好きなこと、過去に直面した問題や挑戦などを洗い出してみましょう。自分を深く掘り下げることで、他の人とは異なる独自の視点やアイデアが見えてきます。

近年はWeb上で自分の強みや性格診断ができるサイトもあります。

自分の強みや特性を知るきっかけとして、これらの性格診断に取り組んでみても良いでしょう。

またビジネスアイデアは強みや成功体験だけではなく、弱みや失敗体験から生まれることもあります。自分の人生を見つめ直し、ビジネスアイデアの元となる原体験を探しましょう。

自分の趣味や好きなことから発想する

自分の趣味や好きなことからビジネスアイデアを見つけられれば、なかなかビジネスが成立しない時期でもモチベーションを維持しやすいでしょう。自分にとって関心の高い分野なので、他人が見落としているニーズや改善点を見つけやすいはずです。

【自分の趣味や好きなことから発想したアイデアの例】
コンピューターやエンジニアリングが好きだったスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックは、パーソナルコンピューターが生まれ始めた1976年にアップルコンピューターを創業、「Apple I」の販売を開始しました。

一方で趣味や好きなことを仕事にする際は、市場や顧客ニーズの有無を慎重に検討しましょう。norosiのプロサポーターを務めるアビームコンサルティング・執行役員 戸田 和宏 さんは、イノベーションには自分のアイデアに対する「情熱」と、市場や消費者のニーズを判断する「客観性」のバランスが大切だと語っています。

好きなものほど一方的な思い込みが生まれがちです。ビジネスとして成立するかどうかの検証は冷静に行いましょう。一人で検討するのが難しい場合は、親しい知人に話してみて反応を確かめるのも一つの手です。

関連動画

自分のニーズや不満からヒントを得る

日常生活で遭遇する不便や問題点は、起業アイデアの宝庫です。自分が直面している不便や問題、不満を解決する製品やサービスを考えることで、同じ問題を抱える他の人々のニーズにも応えることができます。

【自分のニーズや不満から生まれたアイデアの例】
サンフランシスコに住み、高額な家賃の支払いに悩んでいたブライアン・チェスキーとジョー・ゲビアは、国際デザインカンファレンスの開催時に参加者の宿泊場所として自宅のロフトを貸し出し、朝食を提供しました。このアイデアがきっかけでAirbnbの構想が生まれたと言われています。

ニーズや不満からビジネスアイデアを考える際は、自分自身が抱える問題だけでなく、家族や友人が直面している問題にまで視点を広げてみても良いでしょう。多様な視点から問題を探ることで、より広範な市場ニーズを捉えることができます。

これまでのキャリアや得意分野を振り返る

自分のキャリアや得意分野を整理することで、独自のビジネスアイデアが生まれることもあります。これまでの仕事で培ったスキルや人脈、業界での経験を活かしてビジネスを立ち上げられるため、比較的経営が安定しやすいです。

【自分のキャリアや経験から生まれたアイデアの例】
ビジネスコミュニケーションプラットフォームSlackは、創業者であるスチュアート・バターフィールドがゲーム開発会社在籍時に開発した社内コミュニケーションツールのアイデアをもとに作られました。

過去の業務の中で得た失敗経験や不満を解消する製品やシステムを立ち上げ、大きく成長した企業も多数あります。一方で代理店や代行ビジネスなど、業務を受託するサービスビジネスの場合は競合がいることも多いため、競合との差別化ポイントを言語化することが必須です。

既存のものを掛け合わせる

既存の製品やサービスを組み合わせることで、全く新しいアイデアが生まれることも。

【既存のものを掛け合わせたアイデアの例】
Instagramは写真共有機能と画像編集ツール、そしてソーシャルネットワーキング機能が組み合わさったSNSです。「誰もがクオリティの高い写真を簡単に発信できる」という価値が世界中で広く受け入れられ、急速に人気を博しました。

技術や機能だけではなく、デザインや地域、ターゲット層など、固定観念にとらわれずにさまざまな組み合わせを考えるのがおすすめです。

汎用的な組み合わせを考えることができれば、他の業界やターゲットにも展開し、ビジネスを拡大できる可能性もあります。

限定する・特化する

もうすでに存在するビジネスアイデアに挑戦するときは、ニッチ市場にフォーカスすることで優位性を築くこともできます。特定の顧客層のニーズにきめ細かく答えることで、他社サービスとの違いを明確にでき、その市場におけるNo.1を目指しやすくなります。

【限定する・特化することで競合優位性を築いたアイデアの例】
ブルーボトルコーヒーは「新鮮な焙煎コーヒー」に焦点を当て、品質と鮮度にこだわり続けた結果、コーヒー愛好家の間で高い評価を得ました。今やアメリカ国内だけではなく世界中で愛されるコーヒーショップとなっています。

自分が提供できる価値や強みを明確にした上で、それが顧客のニーズにマッチするかどうかを検討しましょう。そのとき、ターゲットとするニッチ市場に対して知見があればあるほど、潜在的な需要を理解した上で、その市場に特化した独自の価値提案を生み出しやすくなります。

時代の流れから考える

社会や技術といったマクロ環境の変化はビジネス上のリスクをもたらしますが、一方で新たなビジネスチャンスの機会にもなります。

【時代の流れの中で生まれたビジネスの例】
生成AIの登場により、ホワイトカラーやクリエイターの仕事の一部が代替されました。しかし同時に生成AIを組み込んだWebサービスや、生成AIを使って作成したクリエイティブ、生成AIに送る指示文「プロンプト」そのものが売り買いされるようになるなど、新たな市場が生まれています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)、サステナビリティ意識の高まり、リモートワークの普及など、社会的トレンドを理解するとともに、今後社会がどう変化するかを予測する習慣を身につけましょう。

その未来予測に基づいたサービスや製品のアイデアを思いつければ、市場で成功を収めることもできるかもしれません。

SNSを活用する

SNSは、現在の消費者の興味やトレンドをリアルタイムで把握するのに有効です。そのSNSにおける流行を知ることで一般の人の声を理解し、ビジネスアイデアを考案することができます。

またSNSは新しいアイデアや製品の情報を拡散し、フィードバックを収集するためのプラットフォームとしても役立ちます。SNSのプラットフォームによってメインとなるターゲット層は異なるので、調査を行う際は「自分のビジネスの対象顧客がどのSNSを使っているか?」を考えた上で活用しましょう。

検索機能やハッシュタグを利用すると、特定のトピックに関する会話を効率的に収集できます。

人の事業アイデアを眺めてみる

他の起業家やビジネスのアイデアを研究することで、新しいインスピレーションが得られることもあるでしょう。国内外のユニークなビジネスモデルを学ぶことで、自分のビジネスにも活かせる新たな視点を学べるかもしれません。また他社の成功事例や失敗から学ぶことで、自分のアイデアをさらに洗練させられます。

ビジネスに特化したニュースサイトや、スタートアップ関連の情報を紹介しているSNSなど様々な情報源に触れながら、「世の中にはどんなビジネスがあるのか」という知見を貯めましょう。

起業家のためのマッチングサイト「triven(トリブン)」には、起業家・起業志望者による600件以上のアイデアが掲載されています。無料で閲覧、ビジネスアイデアの掲載、仲間集めが可能です。

実際に起業した人に話を聞いてみる

起業家から直接話を聞くことは学びにもなる上に、モチベーション向上にも繋がります。起業家の経験談を聞くことで、ビジネスを立ち上げる過程で直面する課題や乗り越えるための戦略、日々の事業運営で役立つ実践的なアドバイスを得られるでしょう。

もし現在自分の周りに起業家がいない場合は、起業家が集まるコミュニティやイベント、ワークショップに参加し、起業家とのつながりを作るのが有効です。

またnorosi pressの運営会社アドリブワークスの広報メディア「アドリブワークス広報室」では、先輩起業家がどのように事業を立ち上げたのかの事例を公開しています。

起業アイデアを生み出した起業家の事例


ここでは「norosi」から生み出されたスタートアップの起業アイデアと創業ストーリーを紹介します。どの起業家も自分の原体験を元にビジネスを立ち上げているので、共感するエピソードがあるか確認してみましょう。

内容は取材当時のものです。現在のサービス名・事業内容・活動状況は同社のホームページ・SNSなどをご参照ください。

huposhare(ヒューポシェア):外国人留学生のスキルシェアマーケット

株式会社hupodea(ヒューポディア)の奥島輝也さんは、外国人留学生ならではのユニークなスキルや経験、知識を日本人・日本企業が活用できるオンラインマーケット「huposhare」を開発しています。


奥島さんがhuposhareを開発したきっかけには、学生時代のアメリカ留学での体験があります。留学時、スーパーの買い物や日常生活に苦労した彼は「日本に住む外国人も同じ悩みを抱えているはず」という思いでビジネスをスタート、複数回のピボットの末に現在のビジネスにたどり着いたと言います。

「日本に来た外国人の困りごとを解決したい」という想いを持ち続け、ビジネスを形にした奥島さんの創業ストーリーからは、試行錯誤しながらビジネスを立ち上げることの大切さを学べます。

Return to Nature:人と地球に優しい循環葬®のお墓を提供

at FOREST株式会社が提供する「Return to Nature」は、環境にも人にも負担をかけず、 豊かな森を未来に遺すことができる埋葬サービスです。


企業の広告制作やブランディングに携わってきたコピーライターの小池友紀さんは、「先輩の死」と「両親の改葬(お墓の引越し)」という2つの出来事をきっかけに「誰にでも必ず訪れる『死』に、あらたな選択肢を作りたい」と思うように。最終的に遺骨を自然循環する形で埋葬できるサービスを開始しました。

「埋葬」という全く未経験の分野に挑戦する小池さんですが、「自分が実現したいことのためにやっているので、大変とは感じない」とのこと。ビジネスの立ち上げに大切なのは、そのアイデアに対する情熱であることを示すエピソードと言えそうです。

モクジヤペイ:我が子に”機会”を与えるおこづかい設計サービス

株式会モクジヤは、奨学金のリスクや特徴をまとめたポータルサイト「奨学金図鑑」や会社の創業者の生い立ちを学べるロールモデルメディア「創業者図鑑」など、これまでに教育や起業にかかわる様々なサービスを生み出してきました。

手がけるサービスの共通点は「学びを取り巻く社会課題を解決し、挑戦し続けられる世界をつくる。」というミッション。このミッションが生まれた背景には、学生時代の経験を経て「学ぶ意欲のある人たちが、お金のせいで学びを諦めることがない世界にしたい」という想いがあります。

起業を失敗で終わらせないために必要なこと

出典:norosiホームページ

norosi」では事業立ち上げ・法人設立までのステップを「起業クエスト」という形でまとめ、各ステージにおいてつまづきやすいポイントをサポートしています。ここでは過去100名以上の起業希望者の方を支援した経験をもとに、起業の初期段階で注意すべき点を解説します。

今後、norosi pressでは起業クエストの詳細をさらにわかりやすく紹介したいと思うので、もうしばらくお待ちください。

初期投資を最小限に抑え、小さく始める

アイデアの成否がわからない段階で、いきなり大きな投資を伴う意思決定をするのは避けましょう。まずは小さく仮説検証をすることからスタートし、検証が済んでから製品開発や営業を行うことをおすすめします。

高額な初期投資が必要なビジネスモデルの場合は、市場のニーズを事前に検証した上で、少額でできる範囲の実験やプロトタイプ開発から始めるようにしましょう。

BMCの作り込みと検証から始める

コストをかけずにアイデアの検証を行うには、ビジネスモデルキャンバス(BMC)を活用するのがおすすめです。

ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは、ビジネスの構造を可視化するためのフレームワーク。ビジネスで押さえるべき要素を網羅しており、作成することでビジネスモデルの全体像や各要素間の関係性を確認・検討できます。

誰かに起業アイデアを話してみる

誰かに起業のアイデアを話し、フィードバックをもらうことでビジネスの検証を行うことも可能です。

自分のビジネスのターゲットとなる知人に声をかけ、「こんな製品・サービスがあったらほしいと思うか」など率直に意見を聞いてみましょう。客観的なフィードバックをもらうことでアイデアが改善されるとともに、ビジネスの思わぬ見落としに気づくことができます。

起業準備をしっかり行う

市場調査や事業計画策定を綿密に行いましょう。今はインターネットを使えば、簡単な市場調査が無料かつ短時間でできます。

  • 始めようとしているビジネスの市場動向
  • 競合が提供しているサービスの特徴や価格
  • ビジネスを実現するために、どんな準備や協力を募る必要があるか

など、ビジネスを始めるために最低限のリサーチを行いましょう。


初期費用が必要な場合は、早めに資金を準備しましょう。特に店舗や商品開発が必要なビジネスを行う場合、初期費用も高額になります。開業する際は一時的に収入がなくなる場合もあるため、売り上げが上がるまでの間の生活資金を事前に貯めておきましょう。

いきなり独立せず、副業から始める

「起業したい!」という強い気持ちを持っている場合でも、いきなり独立してしまうのはリスクが高いもの。万が一アイデアが失敗したときに、生活が立ち行かなくなることがないよう、まずは副業から始めてみることをおすすめします。

本業がある状態で副業を行うことで、失敗した場合の経済的リスクを最小限に抑えることも可能です。また副業段階から事業が立ち上がれば、ビジネスモデルの実行可能性も信頼できるものとなるため、成功の見込みが高まった段階で本格的に独立もできます。

起業は情報戦。相談できる仲間やパートナーを探そう

自分が情熱を持てるアイデアを見つけるのは大変です。しかし、そのアイデアを磨き上げ、ビジネスとして成り立たせるのにも非常に多くの困難が伴います。

そこで重要なのが、起業仲間や起業に詳しい相談相手を見つけ、様々な視点からアドバイスを得ることです。

創業前のプレシード期に特化したスタートアップスタジオ「norosi」では

「実現したい起業アイデアはあるけど、何から始めたらいいのかわからない」
「専門家の力も借りながら、スピーディーに事業を立ち上げたい」

という人たちの起業のハードルを下げるために、事業開発の経験が豊富な事務局のメンバーが二人三脚で起業を支援しています。

スタートアップ支援を行う全国の自治体・企業と連携しながら、

  • ビジネスアイデアの壁打ち
  • 信頼できるパートナー・支援者探し
  • 自治体との連携
  • 法人化の準備

など、ビジネスの一歩目を徹底サポートします。「周りに経営のことを相談できる人がいない」という方におすすめのプログラムです。

まとめ

自分が情熱を注げる起業アイデアを探し出し、ビジネスモデルへと昇華させるのは並大抵の努力では成し遂げられません。

その中で自分に合ったアイデアと出会うには、目の前のアイデアにすぐに飛びつかず、日常の中で広い視野と好奇心を持ち続けながらより良いビジネスアイデアを見出そうとする姿勢です。

この記事が自分にぴったりのアイデアと出会い、起業家としての第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。